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IT立国インドの秘密  世界史小ネタ第38回

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10憶の人口を抱えいまだにカースト制に悩む国、といったイメージが、ここ数年のインド人プログラマーの大活躍によって変わりつつあります。昨年度のソフトウェア輸出高はインドの輸出総額の12.5%を占め、本場アメリカのコンピューターベンチャーにおいても、インド人技術者の占める割合は、中国人を押さえてナンバーワンに。 IT産業における彼らのパワーの秘密とは。

一つは、長い植民地時代のおかげで英語が浸透しているから、という説。確かにコンピューターは英語ですから有利ですね。でも、それが本当ならイギリス人やオーストラリア人はもっとプログラミングに優れていなければなりません。

二つ目は、テレビでもやってましたが、インド人の「九九」の覚え方にあるという説。彼らは韻を踏んだリズミカルな「九九」を、学校というよりむしろ家庭のなかで、しかも9×20まで丸暗記させられるそうです。日本人の倍ですね。これが広くインド人家庭で実行されているとしたら、確かに驚異的です。

三つ目は「ゼロの発見」以来のインド数学の伝統にある、という説。4,5世紀のグプタ朝時代はインド古典文化の全盛期。この時代に「0」から「9」の10個の数字だけを使ってすべての数を表現するというインド式記数法が生まれました。1987を「MCMLXXXVII」と表現するローマ数字に比べて、十進法の「位取り」を可能にした「ゼロの発見」は確かに画期的でした。

それだけではありません。例えば、「Algebra」(代数)の「Al」は「the」、「Jabr」は「バラバラのものを再結合する」という意味のアラビア語を起源としていますが、それは13世紀以降インドを征服したイスラム系王朝がインド数学を指した言葉。「Algorithm」 は計算のプロセスという意味ですが、インド幾何学を西洋に紹介したAl Khwarazmi (フワーリズミー)の名前の変化したものとか。インド文明が数学の発展にいかに貢献したかを示してますね。

もともとは「空」を意味する宗教用語であった「ゼロ」の概念が、人間の抽象化能力を一段高いレベルに押し上げたとするならば、インド人が論理的、数学的思考を得意とする理由も何となくわかるような気がしてきませんか。

参考にしました

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リンク

http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/dousou.dir/imaeda/oxford-6.htm
今枝憲郎氏のイギリス通信の<第20報>数学と言語に、インド人の「九九」について触れられています。

http://www.hindubooks.org/sudheer_bir
インド数学史。上のネタ元です。

http://www.novaroma.org/via_romana/n
アラビア数字をローマ数字に変換