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「西暦」のルーツ 世界史小ネタ第36回

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「21世紀は2001年から始まる」。日本では常識になっていますが、世界的には必ずしもそうではないようです。

イタリア、オランダ、フランス、韓国などの国民的常識は「2000年から」だそうで、オーストラリアは2000年のシドニーオリンピックを「今世紀最初のオリンピック」とアピールしていました。同じような「新世紀論争」は百年前にもあり、ドイツの皇帝ウィルヘルム二世は「1900年が20世紀の始まり」と宣言し、1901年説の大英帝国と激しく対立したそうです。

公式にはグリニッジ天文台が「21世紀と新ミレニアムは2001年1月1日から」と発表しているので、一応の決着はついているのですが、「西暦」という観念の不安定さを物語っていますね。  

「西暦(キリスト紀元)」が、イエスの生誕に基づくことはよく知られていますが、この「西暦」が、現在のような形で使用されるようになったのはいつ頃からでしょうか。

『聖書VS.世界史』(岡崎勝世著)によれば、キリスト紀元の発案者は、6世紀のローマの修道士ディオニシウスで、「主の体現より(ab incarnatione Domini)」ということばで表したのが始まりです。このことばは、現在のA.D.(anno Domini)のもとになっています。この年号はカール大帝によって一般的に使用され、10世紀末には西ヨーロッパで定着したと言われています。しかし、この時代には、「キリスト前(B.C.)」の年号がありませんでした。

では、B.C.の使用はいつから始まるのでしょう。マイヤーの百科事典によると、パリ大学の神学教授であったD.ペタヴィウスが「17世紀に創始し18世紀に一般に使用されるようになった」ということです。

しかし、今日的な意味での「西暦」を使用した最初の人物はヴォルテールでしょう。彼は「通俗紀元」ということばを用い、「キリスト」や「主」ということばをはずして、歴史から宗教的な意味を剥奪して年号表記の「世俗化」をはかったのです。

ところで、ディオニシウスからペタヴィウスに至る1000年間、人々はどのようにして「紀元前」の時代を表現していたのでしょう。それは、次回に。(ten-si)

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リンク

http://www.asahi-net.or.jp/%7edd6
各種暦の由来や相互変換プログラムを搭載したページ。

http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/hon
「暦」に関する文献の抜き書きですが、とても勉強になります。

http://www.cssvario.com/p2k/millen
「新世紀論争」などの話題満載。