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VICTORY号とネルソン提督 世界史小ネタ第33回

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イギリスの南部に、ポーツマスという古い港町があります。かつてイギリス最大の軍港として栄えました(「ポーツマス条約」のポーツマス港はアメリカ)。ここで、現存する世界でもっとも古い帆船軍艦「H.M.S. VICTORY」号(「H.M.S.」とは「His Majesty's ships」の略で、「帝国軍艦」の意味)の勇姿を見ることができます。

写真のように VICTORY 号は木造船。800人の船員と100台の大砲を積んで、なお海面を滑るように走ることができたとか。「人類の作り出したもっとも精巧な道具」はイギリスの伝統的な造船技術のたまものでした。「VICTORY」という名と、この船に乗った男の名を不滅にした戦争が始まったのは1805年の10月21日のこと。 

ナポレオンの厳命を受けたフランス・スペイン連合軍の艦隊とネルソンに率いられた英国艦隊はスペインのトラファルガー沖で対峙しました。ネルソンはここで「ネルソンタッチ」という斬新な作戦に出ます。艦隊を三つに分けて、一隊は待機させ、他の二隊を率いて敵艦隊のど真ん中に殴り込み。3層のデッキに104門積まれた大砲が一斉に火を噴きます。砲弾の射程距離が800メートルといいますから相当な破壊力。これをお互いに至近距離から打ち合うわけですから、船内は地獄と化したことでしょう。

戦況がイギリス側に傾きかけたとき、隻眼隻腕の小男ネルソンは、敵の狙撃兵の銃弾を浴びてしまいます。瀕死の状態で彼は3時間以上指揮をとり続けますが、ついに絶命。40年後ネルソンは国民の英雄として、トラファルガー広場の柱像になり、「VICTORY」もまた一時解体されましたが、保存の声が沸き上がり、1922年ポーツマス港のドッグにトラファルガー海戦当時の姿で保存されることになりました。

参考にしました

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リンク

http://www.stvincent.ac.uk/1797/Vi
H.M.S.VICTORY の船内、船員の生活ぶりを紹介

http://www.wtj.com/archives/nelson/
ネルソンが書いた手紙