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禁酒法 世界史小ネタ 第24回

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アメリカ史上で、いや世界の歴史の中でこれほど国民から無視された法律も珍しいでしょう。1920年1月誕生した、the National Prohibition Act(禁酒法)です。

禁酒法制定を求める声はすでに19世紀中頃から大きくなっていました。第一次大戦中には、醸造業者に多いドイツ系市民に対する反発なども加わって、一気に憲法の修正案が議会を通過。目的は明確でした。アルコール中毒や犯罪を減らすすため。強制力はないもの、0.5%以上のアルコールを含んだ酒類の消費、所有、販売、輸入が法律で禁止されました。

結果はどうだったか。アルコールに飢えた人々は、飲酒をやめるかわりに、違法と知りつつも闇のルートに頼るようになりました。これはギャングたちにとってまたとないビジネスチャンス。彼らは競ってアルコール密造者になり、大量のアルコールを密販売しました。大都市では、アル=カポネのようなギャングが闊歩し、犯罪が劇的に増加しました。

誰に目にもこの事態が明らかになった1933年、法律は廃止されましたが、飲酒量と犯罪率の水準は元に戻りませんでした。この苦い体験はいったい何だったのか。

アメリカ人はしかし、1920年代をそんなに悪い時代だとは思っていないようです。自動車や電化製品が普及し、映画、ラジオなどのメディアが発達し、野球やボクシングなどの大衆娯楽が人気を集めました。働く女性が急増する一方で、彼女らは男性と同じように勤務後の一服を楽しむようになりました。

いってみれば、価値観が大きく変化した時代。それまでのモラルに縛られない新しい生き方が模索され、試されました。禁酒法はそんなアメリカ人が殻を破るきっかけを作った、と言ったらちょっと褒めすぎでしょうか。

参考にしました

禁酒法―「酒のない社会」の実験
岡本 勝

講談社
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「禁酒法」がもたらした弊害とその成果

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リンク

http://www.geocities.com/athens/troy/4399/
禁酒法を総括しています

http://www.x-marksthespot.com/
禁酒法時代のシカゴ

http://www.louisville.edu/~kprayb01/
1920年代のアメリカ