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ライフ=エリクソン 世界史小ネタ 第15回

ノルウェー、アイスランド、デンマークなどの人々にとって、2000年は記念すべき年でした。ちょうど1000年前、コロンブスよりも500年早く、ヴァイキングの一人ライフ=エリクソンが、アメリカ大陸を発見したからです。

9世紀から11世紀にかけて、民族移動を繰り返したヴァイキングたち。1.3メートルの水深があれば航行可能いう独特の幅広い船を駆使して暴れ回りました。その一団が9世紀の初めにアイスランドに移住し、10世紀の終わりにはエリクソンの父が西方の巨大な島を開拓して、「Greenland」と名付けました。この島に伝えられている Saga (英雄の物語)によれば、エリクソンはさらに西方の「Vinland」という実り豊かな大地を発見、入植したのですが、しかし、その場所がどこか、長い間特定することができませんでした。

1960年代に入ると、カナダのニューファンドランド島で大発見が相次ぎます。芝に覆われた住居跡と金属製の生活道具、船の修理場の跡などが次々と発掘されました。放射性炭素による年代測定では、いずれも1000年前後のものと判明。芝を使った壁や屋根はアイスランド特有のもので、ここが Saga のいう「Vinland」に間違いないと考古学者の意見は一致しました。現在は世界遺産にも登録されています。

しかし、その後入植者たちは厳しい試練を受けます。原住民たちとの軋轢。そして「green」や「vin」を育んだ暖かい日々の寒冷化。結局、ヴァイキングの末裔たちは数百年後に「夢の大地」を撤退せざるをえませんでした。新大陸発見者という栄誉にも関わらず、ライフ=エリクソンの名がコロンブスのそれに及ばないとすれば、それは後続者に恵まれなかったという一点にあるのではないでしょうか。

参考にしました

新大陸発見物語―ヴァイキングの新大陸アメリカ上陸の記録
伏島 正義

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リンク

  1. カナダの遺跡の公式ホームページ。世界遺産にも登録
  2. BBCのヴァイキングのページ。